五十嵐学のブログ

(株)マナブ・イガラシの五十嵐のブログです

2014年のおさらい

2014年、なんとなく終わったような気がして、なんか仕事の充実感が足りないなーという気がしまくりで、なんか全然なんにもできていない感満載で、何やったっけ?と思い返してみたらなにげにやってた。

 

大前提として、本業はゲームの企画・開発・運営。これは常にやってるけど、それ以外にトライしたことをまとめてみた。 

 

◇再婚者向けのマッチングサイト(5月リリース、9月クローズ)

2013年12月末、マッチングサイトの開発のために、仲人士の資格を取る。そもそも開発に必要かと言われると全く必要ないんだけど、勉強のため、リアルな声をサービスに反映させるために取得。

 

結婚相談所サービスを利用中の友人に頼んで、仲人をさせてもらう。協会に登録し、実際にお見合い相手を選んで、お見合いのセッティングをして、その後の経過のやりとりをして…ということで。

 

本も20冊くらい読んだけど、まあ本に書いてあることが本当だなということが実感できてすごくためになった。

 

「相性でつなげるマッチングサービス」として企画・開発自体は前年10月くらいから進めていたけど、いろんなマッチングサービスが乱立してきて、これは差別化を図らないと埋もれるね。ということで、再婚者向けのマッチングサービスとして5月にリリース。

 

リリース後、独身の友人にこのサービスを紹介すると、全員が、「婚歴ありの人じゃなくて初婚の人がいい」と言われる。まあわからんでもない。

 

マッチングサービスはそこにいる人がすべて。つまり、人を集めることが出来なければ意味がない。とても親しい友人みんなに拒否されたサービスは、一般ユーザーにも受けが悪かったのか、全く人が集まらず。

 

アフィリエイトを出しているマッチングサービスが1人獲得で4000円とか払ってることがわかり、広告会社への支払いを考えると1人5000円以上で人を集めるのは資金的に無理。

 

やむなく、このサービスの正式公開は断念。9月にクローズしました。

 

ここで学んだのは、作りこむ前にターゲットが欲しがる内容なのか確認しろってこと。

あとは、サービスには夢を!ってこと。自分でもそうだけど、このサービス、アプリを使ったらこんなことが!って夢を見せてくれないとやる気が起きないよね。

 

んなアホなって理性でわかっていても、もしかしたら…と思わせてくれないと、一番高いハードルである「使いはじめる」って段階には行かないなと。

 

◇LINEスタンプ(公開数では日本一に)

4月にLINEスタンプを一般に開放するというニュースを聞いた時には、これりゃ化けるぞッて思った。でも、正直自分のセンスではスタンプのアイデアを考えたりはできないし、あんまり参加する気もなかった。ちょうどこのころ、一緒にマッチングサービスを作ってた仲間はこういうのが得意で、出してみるというので、じゃ、俺もと。

 

クラウドソーシングを使うのはだいぶ慣れていたから、描いてくれる人を見つけて描いてもらうのはまあ出来るだろうと思って、とりあえずリリースに合わせて10スタンプくらい作って出してみた。

 

公開直後ということもあり、思った以上に売れてくれた。

でも、これで食っていけるとは思えないし、そもそもイラストレーターさんのセンスに脱帽っす!ッて感じだったから、いっそのこと売上を全部使って大量に作ってやる!と7月にファクトリー宣言を出す。自分にだけだけど。

 

ファクトリー化の内容は「スタンプ100個作る」ってこと。正直さすがに100個はムリだろうと思ったけど、思ったよりなんとかなった。

 

たくさんの人に依頼していく中でいろんなことがわかってきた。

 ・線画はうまいけど塗りがひどい人、その逆も。

・女性イラストが好きです!っていうけど服がとっても古臭い人

・全体的にそつなくこなすけど、できあがりがいまいちな人

・見せてくるポートフォリオがとっても残念で自分の得意なものがわかっていない人

 

特に最後に当てはまる人がめちゃくちゃ多い。本人は何でもかけると思ってるんだろうけど、これを見せたら誰も発注しないんじゃないかってのを見せてくる人がすごく多い。でもそういう人も、きらりと光る作品の一部をクローズアップしてそういうテイストのを描いてもらったりすると、すごくいいのを描いてくれたりする。

 

もしかして、これが才能の発掘とかなのかなと思ったりもした。

 

あとは、イラストを描く人にあんまり細かな指示はしない。セリフはイラストレータでなく他の人に考えてもらって、作家さんにはいくつかのセリフを見せて自分のテイストに合わせやすいのを選んでもらってたりしてた。

 

あとは、他言語化。LINEが広がってる国はもちろんそうだけど、LINEがこれで売上がガッツリ上がったら、他のサービスでも同じようなスタンプマーケットは出てくるだろうし、他の言語で出してみるのもいいだろうと思って、人口が多そうな言語を選んで15ヶ国語くらい翻訳してた。

 

最初はGoogle翻訳でいいかなと思ったけど、クオリティが低すぎで断念。

これまたクラウドソーシングで各国の翻訳が出来る人を集めてひたすら翻訳。翻訳したものをまた別のデザイナに渡して、他言語用の作業をガリガリ。

 

そんなかいもあって、1月現在、日本での販売数は64スタンプで日本のストアでは1番多く出してる。翻訳物は大量にリジェクトをされてるけど、それでも合わせれば110スタンプ以上は公開出来た。

 

既に納品されてるスタンプは他言語抜きでも100以上作ることが出来たから、ファクトリー化宣言自体は達成できたし、まあよかった。

 

ただ、後から出したスタンプのほとんどはまーびっくりするくらい売れてない。

 

まだ公開されていないスタンプもたくさんあるし、残ってるものは質がいいのが多いと思ってるので、結果はまだ期待してる。

 

自分で考え、イラストを描いている人に言えることは、もしびっくりするくらい売れなくても、それはイラストだったり君自身が否定されたわけじゃないよということ。

これまでに頼んだイラストレーターさんは40人以上いるなかで、同じ作家さんの同じようなテイストのスタンプでも売上は100倍以上違うし、1,2スタンプが売れないからって3つめ、4つめ、…100個目が売れないかどうかはわからない。もし売れなかったからといって、「サイトでイラストをみてもらう」ということでなく、お金を出して買ってもらうという経験は絶対にプラスになるから卑屈にならないで頑張ってたくさん作って欲しいと思う。

 

ビジネスとして大量にスタンプを作るのはすごーくオススメしない。自分としてはとってもいい勉強になったし、とってもよかった。

 

ここから学んだのは、クラウドソーシングを使った生産能力アップ術。日本一出せてることを考えると、生産能力はめちゃくちゃ高いってことになる。

 

さすがに俺でさえも、「たくさん作るよりもしっかりした1本の方がいい」なんてことはわかってる。だけど、新しい市場では一番たくさんトライした人が勝つと信じてる。たくさんトライしてたくさん失敗すれば、たくさんの経験値を積めるはず。

 

そんな強がりを言って見てもやっぱり、1位とかせめて10位以内をとってみたいな。最高は17位。

 

◇クマガイヤ(スタンプ、ゲーム)

暑い街で有名な埼玉県熊谷市に住んでいるけど、熊谷では「あついぞ!熊谷」という熊谷をPRするプロジェクト?があって、去年そこにアプリを出してみたら採択され、更にテレビでも取り上げられた。

 

2013年の夏に日本テレビの「月曜から夜ふかし」という人気の深夜番組でとりあげてもらったのに気をよくして、2014年も出してみた。

 

ふなっしー人気にあやかって、今年は非公認キャラだろう!という今考えるとびっくりするくらいの勘違いな企画で、非公認キャラのクマガイヤというのを作って、LINEスタンプ、横スクロールのAndroidゲーム、Twitter上で一コマ漫画を公開。

 

一コマ漫画までは当初考えいなかったんだけど、このスタンプを作ってくれたイラストレーターさんのセンスをとっても気に入って、つい、一コマ漫画もお願いすることに。

 

一コマ漫画は、全部ラフを描いたんだけど、まあ自分で描いたラフを娘に見せて面白いか確認して、イラストレーターさんに見てもらって批評してもらってイラスト化。

 

全く収益にはならなかったけど、すごーく愛着がわくキャラが出来たし、まあOK。

ちなみに、2013年に出したアプリは、2014年の夏にフジテレビの「めざましテレビ」で扱ってくれたってのもあったから、2015年、クマガイヤが来るかもよ。

 

 

iPhone用ゲーム「ゴムモン」(11月公開)

年初に若いころ勤めていた会社の同僚から「自分で作ったキャラでゲームを作りたいんだけど」相談を受けた。キャラを見て、是非うちで作らせてと即決。

 

ただ、キャラのクオリティが高すぎて、自分の開発能力では足りないなと、知り合いの開発者に開発をお願いすることに。

 

キャラのクオリティを出来るだけゲームに反映させられるように、開発者と協力して開発初期ではいろいろトライして、データ量やメモリ使用量の削減出来る方法を探った。

 

開発者がとても優秀で頑張ってくれたお陰で、目処がつき開発を進めていき、なんとか動くように。

 

その後、多少の紆余曲折がありながらも11月に公開。

 

開発を進める中で自分でも作りたい衝動に何度も襲われるけど、本業で手一杯だし、難易度が高過ぎるしでちょっと残念。

 

落ち着いたらiPhoneメインのゲームとか作りたいなという気もないではないけど、やりたいことの優先順から行くともっと上にたくさんあるしな。

 

このプロジェクトはディレクター的な立場でゲームの仕様を考えたり、音楽の人を探したり、みんなをつないだりという立ち位置でプログラミングは全くしていない。そういえばそういう立ち位置での仕事はずいぶんしていなかったな。

 

このプロジェクトからは、最低限のドキュメントはしっかりしようねということを。ドキュメントはとっても苦手だったんだけど、その後の他のプロジェクトにその教訓がめちゃくちゃ生きてきたからとってもよかった。

 

 

◇アラームアプリ(12月〜開発中)

Androidのアラームアプリを開発中。元々3年前くらいにブラウザゲーム用のアラームを作ったんだけどリリースしなかったことがあって、だれかいい人が見つかったらネイティブアプリ用のアラームをつくろうかなと思って、クラウドソーシングでいい人探し。

 

とっても良さそうな人が見つかって、現在開発中。これについても自分でプログラムは全くしないで、企画、仕様を作って後はコミュニケーションを取りながら詰めてる。

 

2015/01/12現在、ほぼ出来上がったから近日中に公開できそう。

 

内容はとってもシンプルだけど、すごーく便利で気に入ってる。なにげにAndroidユーザーにとって必須のアプリになるかもよ!? 乞うご期待。

 

◇学習系サービス(12月〜開発中)

これは2013年に企画だけあって、2014年1月に一旦作り始めたんだけど、その後、開発者への連絡が滞って保留のままになっていたものを再始動。

 

自分自身は本業で手が離せないから、開発者とは別にディレクターも探して企画の整理やラフづくりを手伝ってもらってる。

 

途中まで2013年に考えた企画のままで進めていたんだけど、企画としてはかっこいいんだけど、どうもターゲットがぼんやりしていることが気になっていて、友人に軽いプレゼンをしても気になっていてるところを突っ込まれて、企画のし直しに。

 

その後、企画をシンプルにして、特化したつもりが、ターゲットを絞りすぎて使ってくれるイメージが湧かなくなったので、再度企画のし直しに。

 

当初、技術的にも企画的にも新規性は全くないけど、自分にとってもめちゃくちゃ必要性は高いし、社会にとっての有用性が高いから行ってしまえ!と作ることにしたけど、今の最新の企画は結構新しい視点が入っていていい感じ。

 

このサービスはすぐに収益につながるものではないことはわかりきっているけど、そもそも、うちの娘の学習環境で気づいた問題点の解決方法として考えた企画だから少し時間をかけて育てられればいいかなと。

 

できれば2月くらいにプレリリースくらいできればいいな。

 

2014年、ざっとこんな感じ。

大ヒットコンテンツを作れていないから、何か物足りなさいっぱいなんだけど、やってることを見ると、よくもまあいろいろやってるなと。2015年もなりふり構わずに走ってみようと。